こんにちは。岡山市・岡山駅西口の不動産会社、フクシマ宅建です。
ご両親が高齢になり、老人ホームなどの介護施設へ入所することになった時。ご家族としては一安心する反面、ポツンと残された「実家」をどうすればいいのか、途方に暮れてしまう方が非常に多くいらっしゃいます。
「いつか帰ってくるかもしれないから、そのままにしておこう」
「親が生きているうちに家を売るなんて、なんだか申し訳ない…」
そのお気持ち、痛いほどよく分かります。実際、実家を今すぐ売る必要はありませんし、当社が売却を急かすこともありません。ただし、「とりあえず放置」と「整理したうえで保留」はまったく別物です。何も決めずに放置すると、建物の劣化・税金・そして親御さんの認知症による“売れない実家”問題など、後から取り返しのつかない負担がご家族にのしかかることがあります。
この記事では、親が施設に入所した後の実家について、①取りうる5つの選択肢、②放置した場合のリスク、③知らないと損する税金の期限、④親名義のままでは売れなくなるケース、⑤今すぐやるべき3つのことを、宅建士・FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から解説します。
親が施設に入ったら、実家の選択肢は5つ
空き家になる実家への対応は、大きく次の5つに整理できます。まずは全体像を眺めて、ご自身の家がどれに近いかをイメージしてください。
| 選択肢 | こんなご家庭に向いている | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ① 空き家のまま維持する | 親が実家に戻る可能性がある/気持ちの整理がついていない | 親の「帰る場所」を残せる | 維持費と管理負担が続く。放置すれば劣化が加速 |
| ② 貸す(賃貸に出す) | 立地・状態が良く、手放したくない | 家賃収入を施設費用に充てられる | 入居者募集・管理の手間。貸すと税制特例が使えなくなる場合あり |
| ③ 売る | 誰も住む予定がなく、施設費用の資金を確保したい | まとまった資金と管理負担ゼロ | 売却には親本人の意思確認が必須(後述) |
| ④ 家族が住む | 子や親族に住むニーズがある | 家を良い状態で残せる | 将来の相続で兄弟間の調整が必要になることも |
| ⑤ 保留する(ただし整理はする) | 今は決められない | 納得いくまで考えられる | 「整理せず放置」とは別物。価値の把握と管理体制だけは先に整える |
大切なのは、⑤の「保留」を選ぶ場合でも、家族での話し合い・実家の価値の把握・管理体制づくりという“整理”だけは先に済ませておくことです。売る前に、まず整理する。これが後悔しないための鉄則です。
「とりあえず放置」が引き起こす3つのリスク
誰も住んでいない家(空き家)は、想像以上のスピードで傷んでいきます。
1. 建物の急速な劣化
人が住んで換気や通水をしないと、湿気がこもってカビやシロアリが発生しやすくなり、水道管もサビてしまいます。いざ数年後に「売ろう」「貸そう」と思った時には、修繕に莫大な費用がかかる状態になっていることも珍しくありません。
2. 維持費(コスト)の圧迫
誰も住んでいなくても、毎年「固定資産税」はかかります。火災保険料や光熱費の基本料金、そしてご両親の介護費用・施設入居費も毎月かかってくるため、家計への負担がジワジワと重くのしかかります。
さらに注意したいのが「特定空家」の指定です。管理されずに危険な状態になった空き家が自治体から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(税額を大幅に抑える仕組み)が外れ、税負担が跳ね上がる可能性があります。2023年の法改正で、倒壊寸前でなくても「管理不全空家」として勧告の対象になり得るようになりました。
3. 管理の精神的・体力的負担
定期的な空気の入れ替え、庭の草刈り、郵便物の確認など、「実家の管理」は残されたご家族の貴重な休日と体力を奪います。県外にお住まいの場合、帰省のたびに管理作業で休みが潰れてしまう、という声もよくお聞きします。
なお、岡山ならではの事情もあります。車移動が中心の岡山では、実家を空き家のまま残すのか、将来的に建物を解体して駐車場として活用できる土地なのかによって、その後の選択肢や資産価値が変わることがあります。また、庭木や草刈りの手入れは想像以上に手間がかかり、季節ごとに岡山へ通って作業されるご家族も少なくありません。こうした地域事情も含めて、早めに方針を整理しておくことをおすすめします。
知らないと損する、お金と税金の「期限」
実家の売却で税金の負担を大きく左右するのが、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特別控除です。実はこの特例、「いつ売るか」で使えるかどうかが変わります。
親が存命中に売る場合:マイホームの3,000万円特別控除
親が長年住んだ実家は、施設に入所して空き家になった後でも「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売却すれば、マイホーム(居住用財産)としての3,000万円特別控除が使える可能性があります。逆に言えば、施設入所からおよそ3〜4年で期限が来るということです。「まだ先の話」と思っているうちに期限が過ぎてしまうご家庭が実際に多くあります。
相続後に売る場合:空き家の3,000万円特別控除
相続してから売る場合にも「相続空き家の3,000万円特別控除」という制度がありますが、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始直前まで親がひとりで住んでいたこと(老人ホーム入所の場合は要介護認定などの要件あり)、相続から3年を経過する年の12月31日までに売ることなど、条件は存命中の特例よりも厳しくなります。
どちらの特例が使えるか、いつまでに動けばよいかはご家庭の状況によって変わります。詳しくは税理士と連携してご案内できますので、期限だけでも早めに確認しておくことをおすすめします。
見落としがち:親名義の家は、子どもが勝手に売れません
意外と知られていませんが、実家の名義が親のままである限り、売却の契約ができるのは所有者である親本人だけです。子どもが「もう誰も住まないから」と代わりに売ることはできません。
ここで深刻な問題になるのが、認知症です。認知症が進んで判断能力が失われると、親本人は売買契約を結べなくなります。その場合、家庭裁判所で成年後見人を選任する手続きが必要になり、時間も費用もかかるうえ、居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可まで必要です。「売りたいのに、何年も売れない」という事態が現実に起こります。
だからこそ、親御さんが元気で意思を伝えられるうちに、家族で実家の方針を話し合っておくことが何よりの備えになります。施設入所は、そのきっかけとして最適なタイミングです。
実家が空き家になったら、まずやるべき3つのこと
「売る・売らない」を今すぐ決める必要はありません。まずは次の3つの“整理”から始めてください。
① 家族で「方針」を話し合う
まずはごきょうだいなどで「誰が管理するのか」「親の介護費用はどう工面するのか」「実家は最終的にどうしたいのか」を話し合いましょう。不動産は後から揉めやすい財産だからこそ、早めの情報共有が大切です。お盆やお正月など、家族が集まる帰省のタイミングは絶好の機会です。
話し合いの際は、「親御さんの体調」「施設での生活が長期になりそうか」「ご自宅へ戻る可能性があるか」の3点を最初に共有しておくと、売る・貸す・残すのどれが現実的か、ぐっと考えやすくなります。
② 無理に「片付け」を始めない
「売るにしても、まずは家の中をすっからかんにしないと…」と、ご家族だけで遺品整理や不用品処分を始めると、あまりの量の多さに途中で挫折してしまう方が大半です。片付けは後回しで大丈夫です。家財道具が残ったままでも査定はできますし、当社では残置物ごとの「そのまま買取」にも対応しています。
③ 実家の「今の価値」を知っておく
一番大切なのは、決断を急ぐことではなく、「今の状態なら、いくらで売れるのか(貸せるのか)」という選択肢と価値を把握しておくことです。実家の価値がわかれば、親の介護費用の資金計画が立てやすくなり、家族の話し合いも「数字」を土台に進められます。それが心の余裕につながります。
岡山の実家のこと、フクシマ宅建にご相談ください
フクシマ宅建は、岡山駅西口・奉還町エリアで1975年から続く不動産会社です。宅建士でありFPでもあるスタッフが、ご両親の介護費用やご家族のライフプランも踏まえて、売る・貸す・残すのどれが一番安心か、一緒に整理するところからお手伝いします。
親御さんが施設に入所されると、施設利用料や医療費といった新しい支出が始まり、一方で実家の固定資産税・保険・修繕などの維持費も続きます。私たちはこれらを別々にではなく、「家計全体の未来」としてまとめて整理するところから始めます。売る・売らないの結論を急がせるのではなく、ご家族が納得できる選択にたどり着くための、フェアな第三者・伴走者でありたいと考えています。
フクシマ宅建のお約束
- 売却を急かしません。話し合いの結果「今は売らない」となっても大丈夫です
- 片付け前でもOK。家財が残ったままでご相談・査定ができます
- 売らずに残す場合も、空き家管理・賃貸管理までお手伝いします
- 相続登記や税金のことは、提携の税理士・司法書士へおつなぎします
- 県外にお住まいの方も、お電話・オンラインでご相談いただけます
「親が施設に入ったけれど、実家のことまで手が回らない…」そんな時は、ご家族だけで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
▼【無料】岡山市の実家・空き家のご相談はこちら
https://fukushimatakken.info/consultation/
▼相続についてのお悩みはこちらの特設ページへ
https://fukushimatakken.info/consultation/inheritance/
よくあるご質問
Q. 親の住民票は実家から移すべきですか?
必ず移さなければならないわけではありませんが、実家を売却・賃貸する場合には異動が必要になります。施設の種類やご事情によっても扱いが変わるため、方針を決める際に合わせてご確認ください。
Q. 電気・水道はすぐ止めてよいですか?
急いで解約しない方がよい場合があります。管理(通水・換気・掃除)や、売却前の内覧・調査で使うことがあるためです。当面は基本料金を維持し、方針が決まってから解約するのが安全です。
Q. 売るなら、いつが有利ですか?
税制面では、親の存命中は「住まなくなってから3年経過年の12月31日」、相続後は「相続から3年経過年の12月31日」が特別控除の目安の期限です。ただし建物の劣化は待ってくれないため、「期限」と「建物の状態」の両方から逆算して考えるのがFPとしてのおすすめです。
Q. きょうだいで意見が割れています。
とても多いご相談です。まずは感情論を避け、「実家の現在価値」という共通の数字を全員で共有するところから始めてください。第三者である不動産会社が間に入ることで話が前に進むケースも多くあります。
この記事の監修者
売買担当
岡田
- 宅地建物取引士
- 賃貸不動産経営管理士
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
売買担当
桑田
- 宅地建物取引士
